「情報Ⅰ」は社会人でも必須!? 『高校生だけじゃもったいない 仕事に役立つ新・必修科目「情報Ⅰ」』を読んで
Xでこの本を目にし、内容が気になったので読んでみました。
いまなぜ情報Ⅰが必修なのかや、情報Ⅰで学ぶ事項について、具体的に紹介されています。
この記事では、私が面白いと感じた部分をピックアップして紹介します。
いまの高校生が学んでいること
高校の教科「情報Ⅰ」が2022年から必修化されたことをご存知でしょうか。
「情報Ⅰ」では、情報デザインから文字コード、アルゴリズム、暗号技術まで、現代社会に不可欠なコンピューター関連の知識を幅広く学びます。
このあたりの知識が当たり前の世代が今後でてくるんですね。
なぜ「情報Ⅰ」が必修化されたのか
現代社会では、コンピューターなしでは成り立たない職業がほとんどです。
IT技術者と適切にコミュニケーションを取り、ソフトウェア開発を効率的に進めるためには、一定のIT知識が必要不可欠。
「情報Ⅰ」は、そのための基礎知識を提供し、国語や数学と同様に、現代人の教養として位置づけられるようになりました。
DXとは
本書では、DXを「レガシーシステムからの脱却」と誤解している企業が多いといいます。
真のDXとは「時代の変化に適応し続けられる組織であり続けること」。
そして以下のように述べられています。
DXをしたいなら、「DX」という言葉を使うな
p.54
DXという言葉を使えば、何でもかんでもうまくいくというわけではありません。
「これをすれば上手くいく」なんていう絶対的なものはなく、現状と理想の状態を認識し、そのために必要なことを具体的に挙げていき、一つづつ取り組んでいくしかないわけです。
「DXしよう!」というのは簡単で、何かをやっている気にもなりますが、ただ時代に取り残されるだけでしょう。
「わからない」を恥じる必要はない
わからないこと、できないことは恥ではありません。企業がITパスポートの取得を全社員に課すのは、資格取得できなかったとしても、取れなかったことを自覚してどのように動くべきなのかを、を考えることを求めるためです。
p.28
この文章も印象的でした。
ITの分野でわからないときに、誰に頼るべきかという指針ができ、人に頼りプロジェクトを前進させていくことができるようになるということですね。
これは、ITに関わらず重要かと思います。わからないとき、何がわからないかもわからなかったり、何から手を付ければいいかわからないことがあります。そんな時、「あの人に聞けば、進められそう」という情報があると、自分の行動がスムーズになります。
私自身ここが弱い部分があります。例えば、私はUI/UX周りの知識が疎いのですが、そういうときに知っている人に助けを求めるという選択肢が出てくるのが遅いです。要件を整えて、すぐに識者に相談できていれば。。。と後で思うことがあります。
要望の裏にある真の課題を見抜く
要件定義の話で、以下のようなことが書かれていました。
要望は聞く。聞いた上で無視して、本当の課題を解決する
p.199
要望の裏にある本当の課題はなにかを考えることが重要であり、要望は二の次であるということですね。
気がつけば、ユーザーが求めていることだからという理由で、頭を働かせることなく、実装のことを考えているときがあるので、これは身につまされます。
まとめ
高校で情報Ⅰをしっかり身につけた人が10年以内に社会に出てくるのは、恐怖であり、頼もしくもあるように感じました。(ここ数年もAIの衝撃がすごすぎて、10年先なんてどうなっているのかさっぱりですが)
本書は社会人はもとより、今情報Ⅰを学んでいる人がなぜ学ぶのか、学んだ内容をどう活かせるか、を知るために読むのも良さそうだと感じました!