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『教養としてのコンピューターサイエンス講義』を読んで
教養としてのコンピューターサイエンス講義という書籍が家にあったので、読んでみました。
感想
対象読者が誰なのかが結構難しい本だと思いました。というのも、範囲が広すぎて初心者にしては理解しづらいだろうし、
逆に専門家にしてはもう少し詳しく知りたい!という内容も少ないように感じました。
ただ、範囲が広いだけあって、知らないことも多く、興味を広げるという意味では最適な本だと思います。
目次などで気になるところを見つけて、そこだけ読んでさらに気になったら、別の本を読むという使い方がいいかもしれません。
加えて、セキュリティ、自衛の話に重きをおいているので、その辺りに興味がある方にはおすすめです。
特に面白かった、参考になったところを以下にまとめます。
- Unicodeのウェブサイト
“Everyone in the world should be able to use their own language on phones and computers.”
Unicodeには夢がありますね。 - あらゆるレイヤーでのキャッシュ
本当に色んなところでキャッシュが使われているんだなと、改めて感じました。
容量とアクセス速度のトレードオフを今後の実装で少しは吟味できるようになったかもしれません。 - 鳥類キャリアによるIPというRFCの存在
このジョークRFCは知らなかったです。 - セキュリティに関する 10 の鉄則
第三者がどのような場合に、あなたのPCやブラウザ、OSなどの主導権を握ることができるかを簡単に理解できます。 - clickclickclick.click
このサイトは、サイトからユーザーの取れる行動を目で見える形にしたもので、どんな情報が取れるのかを知るのにいいです。
情報を組み合わせることで、ほとんど一意にユーザーを特定できることもあるのです。 - 匿名化は何を持って匿名にできたと言えるのか
ユーザー情報、例えば名前、住所、電話番号、メールアドレスをマスクするだけでは、匿名化とは言えない場合があることを知りました。
例えば、誕生日と郵便番号がマスクされていない場合、そのデータだけではユーザーを特定することは難しいですが、郵便番号の地域の誕生日の情報という別のデータと組み合わせることで、ユーザーを特定できる可能性があります。
こういった自社では公開していない情報と組み合わされることで匿名化はいとも簡単に崩れてしまう可能性があるのです。
まとめ
初心者の方にこの本でコンピューターについて学ぶことはおすすめしませんが、手元においておきふとしたときに目を通すのにはうってつけです。
コンピューターとともに年齢を重ねた著者にしかかけないような内容もあり、そういった部分も楽しめると思います。
ただ最初に回た通り、ある程度知識が無いと読むのはしんどいと思いますし、知識がある程度あれば物足りなさを感じるかもしれません。